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いきいき 作文教室 第2回の大賞作品発表!
第2回テーマ 「私の仲直り体験」
 
大賞 :いきいきポイント3000ポイントを進呈。
西山聖子さん(三重県・50歳)
800字コース
 
  女子校の中学の体育の時間。その日は、クラス内で何チームかに分かれて、バスケットボールの試合をする事になっていた。あまりスポーツが得意でない私は、試合と聞いただけで胃が痛くなり、何だかイヤな予感がしていた。
  とうとう私達のチームの番となり、試合が始まった。背の低い私は、人より大きく感じるボールを必死でドリブルして、早く次の人にパスしようとしていたが、右側から急にディフェンスされ、私の肘(ひじ)は思いきりその子の顔に当たってしまった。その時は夢中だったので、あまり気にも留めずに走り回るうち試合は終了。すぐに彼女に「さっきはごめんね」と謝っておけば良かったのに、何だか言いそびれ、こちらを見ていた彼女に気付かぬ振りをして、次の日から意識的にお互いを避けるようになってしまった。
  彼女とは特別仲が良いという訳ではなかったが、スポーツ万能でボーイッシュな憧れの人だった。三日位たち、教室で他の友人達とおしゃべりをしている彼女を見た時、上の前歯の一本が欠けている事に気付いた。えー。どうしよう。心臓がドキドキして思わず教室を出た。あの時、私の肘が当たった所為(せい)で欠けてしまったのかしら。見た目が気になる年頃の女の子にとって、正に一大事である。
  家へ帰っても彼女の前歯の事が気になって何も手につかない。暗い気持ちのまま、一週間が過ぎ、やはり勇気を出して謝ろうと決心した。休み時間、恐る恐る彼女に近付き「ごめん。その前歯この前私が……」と言いかけると「何だ。避けてると思ったらこの事を気にしてたの? これは試合よりずっと前からよ。心配させてごめん」と言われ、一瞬にして目の前の霧が晴れた。破顔一笑。ニッと笑ってくれた彼女の欠けた前歯が眩しかった。三十五年後の今も、その笑顔はとても素敵だ。

西山聖子さん
樋口裕一さんから 大賞作品について
 全体を通して、リアリティーが感じられます。たとえば、背の低い、必死でドリブル、右側から急にディフェンス、欠けた前歯といった表現によって、その様子がありありと目に浮かびます。また、書き出しの「イヤな予感がしていた」で読みたい気持ちになり、「自分が悪い」という自己反省の視点で書かれている点に共感させられます。
西山さんから
 今まで誰かと喧嘩した記憶は、ほとんど無かったのですが、中学の時の出来事をふと思い出しそれを基(もと)に書いてみました。今回のテーマと少しずれがあるのではと不安だったのと、4段落で書く配分が難しかったです。いきいきの作文教室で書く楽しさを発見することができました。
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