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樋口裕一さんの書きかた教室
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作文教室 第1回の大賞作品発表!
第1回テーマ 「夏休みの思い出」
大賞 :いきいきポイント3000ポイントを進呈。
小口あや子さん(東京都・57歳)
300字コース
50年前の夏、初めての家族旅行の行き先は「熱海」だった。海に入ったはずなのに、その記憶は全くなく、ホテルのプールの事ばかりを思い出す。
山国育ちの私達は、生簀(いけす)をプール代わりにしていたので、ヌルヌル濁って臭いプールしか知らなかった。水着を着る人も少なかった。
ところがホテルには、透明な水を湛(たた)えた輝くばかりのプールがあり、別世界だった。驚いて見とれていると、ザブーンと音がして、父が悠然と泳ぎ出していた。何と下着のままである! その白い布が膨(ふく)らんだり、萎(しぼ)んだりする様が可笑(おか)しくて、注意していた母もついに、笑い出してしまった。
あの時の家族の笑い声が今も耳に残る。
小口あや子さん
樋口裕一さんから 総評
全体的に今月の応募作は不振で、大賞は300字コースだけ。800字コースは該当作品がありませんでした。テーマが思い出ということで、個人的なことに終始してインパクトが弱い作品が目立ちました。せっかく人が読む作品を書くわけですから、ドラマティックな場面を描いて、読み手を楽しませることをこころがけてください。
大賞作品について
“ザブーン”など情景描写がうまいですね。父が泳ぐときの“白い布”は光景がありありと目に浮かびます。作品全体を通して多くの人がなつかしさを感じることでしょう。
小口さんから
散漫で拙い文章を削ったり書き換えたりして、大変苦しみました。頭の中は大粒の汗が流れ、少しは脳が鍛えられたような気がします。