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富士山。バテずに最後まで登る方法
> 第1回 「私でも富士山に登れますか?」
歩きにすと倶楽部の山岳ガイドが富士登頂をサポート。
昨年実施した「富士登頂講座」のようす。
皆さん、こんにちは。歩きにすと倶楽部の太田です。今回から全10回で、楽しく安全に富士山の山頂に立つためのレクチャーをさせていただきます。肩の力を抜いて楽しみながらご一読いただければ幸いです。
私は埼玉県に住んでいるのですが、自宅のマンションのベランダから富士山がよく見えるのです。天気の良い日はいつも富士山が見えるのですが、何度見ても富士山が見える日は嬉しい。ある人は駅のホームから、またある人はオフィスから富士山を眺めては幸せな気分に浸っているはずです。要するにその大きさと美しさは全ての日本人の憧れであり、心のよりどころになっている。ゆえに、誰もが一度はその頂に立ってみたいと思うのでしょう。初夏になると、富士山に関する講演会をよくやらせていただくのですが、その中で多くの方が思っているのは「私でも富士山に登れるでしょうか?」ということ。でも、いつもこう言っています。「もちろん、登れる可能性は誰もがもっています。ただ、それにはある程度の準備が必要です」と。それでは、ここからはなぜ準備が必要なのかについてお話ししていきます。
富士山の登頂確率は実は5割と言われています。どのように統計をとっているのかはわかりませんが、自分の感覚でも6割くらいかな? と感じています。毎年山開きの日に、多くのマスコミが富士登山を取り上げて、年配の方々が山頂で笑顔で手を振る風景をテレビや新聞などで目にしたことがある方も多いと思います。しかし、その一方で8合目や9合目の登山道脇で、真っ青な顔をして寝込んでいる人達の姿は報道されません。
3,776mという標高は、大変な高さなのです。ゆえに後者の方々の姿こそ普通の様子なのだと私は思っています。ではそんな大変な山で、どうすれば安全にその山頂に達することができるのでしょう。
まずは、山歩きに体を慣らすことが重要です。登山未経験の人や登山初心者が富士山を目指す場合、まずは低い山で体を慣らし、山道の歩きかたを体で覚えることが重要です。 きちんとした歩きかたを覚えると、バテを防ぐ効果があると同時に転倒もしにくくなり、怪我の予防にも役立ちます。年齢の高い方や若くても運動不足を自認している方は、その前段としてウォーキングから始めたほうがよいかもしれません。ということで、次回はそのウォーキングを含めた具体的な、街や自宅や職場で出来るトレーニング方法についてお話しします。
いきいきの富士登頂は、順応登山でステップアップするのが特徴。昨年は乗鞍岳へ登りました。
ステップを踏むことで、一緒に登る仲間意識が芽生え、一体感が生まれていきます。
[講師プロフィール]
太田昭彦(おおた・あきひこ)
1961年、東京生まれ。登山教室「歩きにすと倶楽部」を主宰。年間200日以上を山で過ごす。のべ1万人以上の登山愛好者に同行。著書に『山歩きはじめの一歩(1)山選び』(山と渓谷社)などがある。