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95歳の今でもなお、現役の医師として活躍されている日野原重明先生。 毎号レギュラーで掲載している「生きかた上手」は、そんな日野原先生からのこころにしみるはげましのメッセージです。今回は2006年7月号から記事の一部をご紹介します。 |
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「団塊の世代」と呼ばれる人たちが60歳に近づきつつあり、2007年問題、という言葉が折々聞かれるようになりました。 60代は、サラリーマンにとって現役を退く年齢です。これまでは大きな船に乗っており、決まった方向に向けて、分業体制で船を航行させていたのが、夫婦だけの、あるいはひとりだけのボートに降ろされるということになります。組織から出て、ひとりでボートをこぐ。目標、目的が定かでない不安はこれまで経験したことのないものでしょう。 国連が1956年に定めた老人は65歳以上ですが、日本人の平均寿命は85歳。これから20年もあります。この20年間には、子育てもなければ、会社や組織に強制されるような義務的な仕事もありません。丸々、自分ひとりで使える時間ですから、これまでの感覚からすれば40年分くらいに匹敵します。 そう思えば、まだまだ自分にはやれることがあるのではないか、と希望をもつことができませんか? |
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私は58歳のとき、よど号のハイジャックにあいました。ハイジャックされてからの4日間、飛行機は空港に停(と)まっていたのですが、なかに閉じ込められた私たちとしては、空を飛んでいるのと同じような不安感でいっぱいで、無事にタラップを降りたときには、宇宙から無事に地球に戻ってきたときのように感動しました。 私が心から人のために尽くしたい、と思うようになったのは、そのときからです。私は58歳という年齢であのような体験をしたことを、ありがたいと思っています。私は凝縮(ぎょうしゅく)された生死の不安に4日間さらされましたが、いまの団塊の世代の人たちは、少子化や年金の先細りという社会状況のなかで、この先どうなるのだろうと、漠然とした不安に満ちた毎日をすごされているでしょう。けれども、みなさんもその不安ときちんと向き合えば、自分がこれまで読んできた書物や考えかたから、きっとこれからの自分の行動指針が見えてくるはずです。 |
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