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2000年から連載を開始した「生きかた上手」。あと4回で100回を迎えます。連載を始めたころと変わらないどころか、よりいきいきとしていらっしゃる日野原先生。先生がどのように育ち、今のようになられたのか。ずっとそばにいらっしゃる7歳年下の末の妹、多美子さんにうかがいました。
父からは大きな夢を描くこと、母からは忍耐と大胆さを、兄は受け継いでいます。

  兄は両親のよい遺伝子を半分ずつ受け継いでいます。男3人、女3人の6人きょうだいの中ではきっといちばんです。今、兄が講演会などでみなさんにお話しする姿を見ていると、毎日曜日、教会で説教していた牧師の父の姿と重なります。兄の話し上手は父譲り。父の説教も感動的でした。
  兄が京都大学に進学したころのことです。父は長年勤めた神戸の教会を離れ、人島女学校(現・広島女学院)の校長に就任しました。
  2度アメリカに留学した父は、最初の留学先だったノースカロライナ州のトリニティ・カレッジ(現・デューク大学)に強い愛着と憧れをもっていました。その大学は広大な森の中にある、大変美しいキャンパスだったそうです。父は広島にその姿を再現したかったのでしょう。赴任当時の広島女学校の敷地は街中のほんの一区画しかなかったのですが、少し離れたところにある山、8万坪がちょうど売りに出され、父は理事長の許可を得て、その土地を買ってしまいました。父には、そのような大きな夢を描き、実行する能力がありました。それは兄も同じです。
  けれども、その土地の購入について反対する方々の代表者が、父が何か不正な取引で土地を得たのではと疑って、わが家にやってきました。母は毅然として、
  「うちには賄賂のようなお金はありません。銀行でも、郵便局でも行って調べてください」
と言いました。その方は、震え上がって帰られましたよ。母にはそんな大胆なところがあるのです。自分が正しいと思うことのためなら、どんなことでもする決断力と行動力がありました。そんなところも、兄は受け継いでいます。

※つづきは本誌で


>>5月号 草なぎ剛さんとの対談はこちら

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