伝承されてきた“お細工物”。
昔の人は、偉かったと思います。
鈴木さんがちりめん細工に惹かれるようになったのは、50代のころ。30代の初めに習いはじめた人形づくりで、衣装をつくるため、ちりめんを集めてきたことがきっかけでした。
…中略…
50代に入り、カルチャーセンターや自宅で人形づくりを教えるようになった鈴木さん。年齢を重ねるうち、人形だけでなく、昔から日本に伝承されてきたちりめん細工に興味をもつようになります。
ある日書店で、明治時代に出版された“お細工物”の本の復刻版を見つけたときは、昔から脈々と続く日本のちりめんお細工物の素晴らしさに、感動したといいます。その本を参考に作品をつくり、10年ほど前からは、「伝承のちりめん細工」というテーマで教室を続けてきました。ちなみに、この本には写真はなく、絵といってもごく簡単なものと言葉だけでつくりかたが説明されています。単位も何尺何寸なので、自分でセンチに直し、試行錯誤しながらつくってきました。
8年前からは、教室で秋の教材に干支(初めの年は巳年だったそう)のぬいぐるみをちりめんでつくってみたら、生徒さんに大変喜ばれ、今も続けています。
「ちりめんお細工物は、ものが入れられるように、たいていは袋になっています、昔の人は、琴を弾く琴爪を入れたり、お香を入れたりしていたんですね。昔の人って頭がいい、偉いなあ、と思います。たとえば、ぶんぶく茶釜のたぬきは、しっぽがあって、茶釜の取っ手までついている。細かいところまでよく考えられています」
※つづきは本誌で
★本誌では、鈴木さんのねずみと桃の巾着のつくりかたを紹介しています。